
妖怪・怨霊・幽霊……“おばけ”の常識!
遙か昔から現代まで、妖怪・怪異は常にわれわれと共にある。
江戸時代は正に蜜月と言ってよく、歌舞伎や浮世絵など様々なところに妖怪たちが顔を出す。
文化的側面を中心に、人と妖怪の関わりを鮮やかに描き出す。
妖怪人気の秘密を解き明かす名著、好評の【第七版】刊行。

阿部主計(あべ かずえ)
翻訳家・随筆家・演芸評論家
昭和10年(1935)慶應義塾大学国文学科(旧制)卒業。
昭和23年(1948)探偵小説「土曜会」(日本探偵作家クラブ)に参加、以後、戦後の探偵・推理小説各賞の予選委員を務める。
日本推理作家協会名誉会員。
平成18年(2006)6月逝去。
【著書】
『伝統話芸・講談のすべて』(1999年)
【翻訳】
『カナリヤの爪』(E・S・ガードナー・1956)
「デイキンスン夫人の秘密」(ニック・カーター・『世界探偵小説全集 名探偵登場 第1』収載・1956)
「茶の葉」(E・ジェプスン/R・ユーステス・『世界推理小説全集 世界短篇傑作集 第1』収載・1957)
『変身』(アーサー・マッケン・1969)
『音のする家』(M・P・シール・1970)
『天外消失』(クレイトン・ロースン・1973)ほか多数。

【第1章】日本的怪物の原型
おばけ・死せず/かくれるのみ/ぬし/死者の容姿/亡者と鬼/つきもの
【第2章】王朝時代の怨霊たち
魂は宙を飛ぶ/たまよばい/百鬼夜行/金毛九尾/さむらいは強い/晴明と小角/血のあけぼの
【第3章】妖怪紳士録
空想の復讐/「いわ」と「かさね」と「きく」/足と柳/完成された妖怪たち/お化けは楽し/再び血のあけぼの
【第4章】現代と妖怪・幽霊
しんけいびょう/幽霊の復活/郷愁の美学/見たよ見ましたネオンの陰で/ゴジラは誇る