
本書の構成は、
第Ⅰ巻:開国前史/第Ⅱ巻:開国/第Ⅲ巻:幕末維新 の全3巻からなる。
江戸時代の鎖国期間中、唯一の対外貿易港であった長崎における寛政期以降明治元年までの貿易の変遷・各事件・海防についての関係史料・論文を詳細に分析し、長崎幕末史を総合的に叙述する。本巻は一七八八年から一八四三年に至る開国前史である。

山崎 信二(やまさき しんじ)
1948年生まれ。
広島大学大学院文学研究科修士課程修了。
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所都城発掘調査部副部長、同研究所副所長等を歴任、2009年3月退職。
文学博士。
〈主要著書〉
『中世瓦の研究』(雄山閣、2000年)/『古代瓦と横穴式石室の研究』(同成社、2003年)/『近世瓦の研究』(同成社、2008年)/『古代造瓦史―東アジアと日本―』(雄山閣、2011年)/『瓦が語る日本史―中世寺院から近世城郭まで―』(吉川弘文館、2012年)/『長崎キリシタン史―附考 キリスト教会の瓦―』(雄山閣、2015年)

第Ⅰ巻の内容
第一章 長崎貿易の変遷/㈠長崎貿易の変遷と長崎会所貿易体制の確立/㈡輸出主要品の銅と俵物と昆布
第二章 寛政・享和・文化期の貿易/㈠寛政期の長崎貿易削減/㈡オランダ船貿易の変遷/㈢寛政・享和・文化期の唐船貿易
第三章 文化期の異国人長崎来航/㈠レザーノフ来航以前―ラクスマン根室来航/㈡露国使節レザーノフ長崎来航/㈢英国船フェートン号事件/㈣英国ラッフルズの長崎貿易計画
第四章 寛政・享和・文化期における長崎の海防/㈠江戸初期・中期の長崎の海防/㈡寛政・享和・文化期の長崎の海防
第五章 薩摩の抜荷《その1》/㈠十八世紀前半代の抜荷/㈡十八世紀後半代で天明五年以前の抜荷/㈢天明五年から享和三年までの抜荷/㈣文化期薩摩藩の長崎商法拡張/㈤島津重豪
第六章 文政期、薩摩の抜荷《その2》と長崎の乱れ/㈠文政期の日蘭貿易/㈡文政期の唐船貿易/㈢文政期の唐人騒動/㈣薩摩半島西海岸での抜荷/㈤薩摩藩関連の各地での抜荷/㈥薩摩藩の長崎商法拡張/㈦文政期と天保期初期の長﨑会所腐敗/㈧琉球・中国貿易の進展/㈨シーボルトの鳴滝塾とシーボルト事件
第七章 天保期の変化/㈠天保期の日蘭貿易と唐船貿易/㈡唐船貿易取締りと唐人騒動/㈢長﨑会所立て直しと唐船貿易変更/㈣高島秋帆の徳丸原西洋砲術演習/㈤高島秋帆の逮捕と長崎会所取締り
第Ⅱ巻 開国《一八四四~一八六一年》
第Ⅲ巻 幕末維新《一八六二~一八六八年》