
中国・日本の古代銅鏡などに表現された「神獣」とは何か
漢代から清朝にいたる中国正史等を繙き、戦前の関野貞らの「支那歴代帝陵の調査と研究」に基づく中国歴代皇帝陵の写真資料(東京大学東洋文化研究所蔵)を参照しながら、麒麟・鳳凰そして四神などの霊獣の淵源と変遷を追究する。

平勢隆郎(平㔟隆郎) (ひらせ たかお)
1954年、茨城県生まれ。
東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了、東京大学博士(文学)。
鳥取大学教育学部助教授、九州大学文学部助教授、東京大学東洋文化研究所教授等を経て現在東京大学名誉教授。専門は東洋史。
主要著書
『新編史記東周年表―中国古代紀年の研究序章』東京大学東文研・東京大学出版会1995年、『左伝の史料批判的研究』東京大学東文研・汲古書院1998年、『『春秋』と『左伝』』中央公論新社2003年、『「八紘」とは何か』東京大学東文研・汲古書院2012年、『「仁」の原義と古代の數理:二十四史の「仁」評價「天理」觀を基礎として』東京大学東文研・雄山閣2016年、『五胡の正統遺産『鄴中記』:失われた古代の面影』雄山閣、2025年

第一章 麒麟が正統の象徴だった時代から麟鳳の時代へ
漢代の霊獣:麒麟・鳳凰そして四神/『漢書』と麟鳳/『史記』封禅書に示された霊獣/四神をめぐる動向/四神の意味づけと緯書 ほか
第二章 西王母活用時代の霊獣
『漢書』の霊獣/『後漢書』の霊獣/『三国志』の霊獣/『晋書』の霊獣
第三章 南北朝隋唐の霊獣先天八卦方位出現後
『宋書』礼志と霊獣―晋朝評価/『魏書』と霊獣/『隋書』と麟/『旧唐書』と麟趾/いわゆる「四神」観の消滅/鳳凰他の霊獣/麟徳殿と儒仏道 ほか
第四章 神道(参道)と霊獣
関野貞・竹島卓一・北京山本照像館の帝陵調査/東京大学東洋文化研究所蔵ガラス乾板中の「昭和6年東陵調査」/『旧唐書』・『新唐書』・『宋史』・『金史』・『元史』・『明史』・『清史稿』に見える霊獣 ほか
第五章 清朝東陵・西陵の神道(参道)とその入口石牓に見える霊獣《その一》
墓前神道に獣列ができるまで:墓葬施設内の霊獣
第六章 清朝東陵・西陵の神道(参道)とその入口石牓に見える霊獣《その二》
清朝東陵・西陵/明陵/唐陵/南朝梁陵/戦国墓
第七章 至聖文宣王と張天師 付:仏殿と大雄殿
至聖文宣王/衍聖公/正一真人/天師/関連用語としての「正一」と「道教」/道教/仏殿と大雄殿/灯籠と香炉 ほか