
在日社会の分断の狭間で波乱の人生を送る
在日コリアン女性88年の足跡から
地域住民として生き抜く姿に学ぶ
法政大学元総長・名誉教授 田中優子氏推薦
著者の呉文子さんも、おつれあいの李進煕さんも、この日本列島の歴史に、極めて重要で忘れてはならない足跡を刻んでくださった…(中略)…呉さんは女性であることを含めた二重の差別の中で、それを他の女性たちと学びながら共有し、そのありようが地域や日本の歴史にも民族の歴史にも繋がっていることを、痛感なさったに違いない。本書からは、その深い認識と、そのことに向き合う覚悟が伝わってくる。(本書「序」より抜粋)

呉 文子(オ ムンジャ)
エッセイスト
1937年、岡山市に在日二世として生まれる。山陽女子高等学校(岡山県)卒業。
東洋音楽短期大学(現東京音楽大学)卒業。
文芸同人誌『鳳仙花』代表(1991~2006)、在日女性文学誌『地に舟をこげ』編集委員(2006~12)、調布市町づくり市民会議諮問委員(1998~99)、調布市女性問題広報誌「あたらしい風」編集委員(1994~96)、調布市生涯学習サークル「異文化を愉しむ会」代表(2000~)、NPO 法人「文化・芸術工房」理事(2019~)
主な編著書に
『パンソリに想い秘めるとき― ある在日家族のあゆみ― 』学生社
『아버지 , 죄송합니다』韓国・周留城出版社
『記憶の残照のなかで― ある在日コリア女性の歩み― 』社会評論社
『어느 재일코리안여성의 기억의 조각을 찾아서』韓国・博文社
『女たちの在日―「鳳仙花」22年間の珠玉文集―』共編 新幹社
などがある。

第Ⅰ章 過ぎ去りし記憶の残照
第Ⅱ章 望ましい人権の視点
第Ⅲ章 地域のなかで
第Ⅳ章 芸術・文化を担った人たち
本書を読むための略年表