
兵庫県は、摂津・播磨・但馬・丹波・淡路の旧国=「五国」にまたがる。
広域にわたる県域の各地では、多様な歴史・文化が育まれてきた。
一方、「五国」のヒト・モノは交流を持ち、相互に影響を及ぼし合ってきた。
本書は、「多様性と交流」をキーワードにして、古代から近現代までの兵庫県の歴史を「五国」という枠組みから捉え直し、兵庫地域史研究の新しい地平を切り拓く。

1950年発足。各地の地方史研究者および研究団体相互間の連絡を密にし、日本史研究の基礎である地方史研究を推進することを目的とした学会。

序文(久保田昌希)
刊行にあたって(大会成果論集刊行特別委員会)
Ⅰ 五国を見渡す
博物館と地方史―ひょうご歴史研究室の一〇年―(藪田 貫)
西摂地域からみた「ひょうご近世史」への視角―都市と村を結ぶ交通・人流・物流を手がかりに―(大国 正美)
Ⅱ 古代・中世の交通と拠点
古代ひょうごの駅制(中村 弘)
中世播磨の内陸交通路(前田 徹)
兵庫における中世城館の変遷(山上雅弘)
Ⅲ 近世の物流と交流
近世地方書肆による書籍流通―播磨国姫路の本屋灰屋長兵衛を事例に―(石橋知之)
近世後期における明石藩蔵米と灘酒造業(加納亜由子)
近世後期、幕領における他支配所への資金融通と返済過程―大坂谷町代官役所元締手代永山半助の役割に注目して―(尾﨑真理)
Ⅳ 近現代の都市化・工業化と地域形成
近現代兵庫県の人口と都市化・工業化(吉原大志)
兵庫県の地域形成に関する一試論―近現代の明石地域を事例に―(本井優太郎)
第七四回(兵庫)大会の記録 大会成果論集刊行特別委員会