
付家老の墓制、儒家の思惟、そして「居城」と造墓のあり方について近世大名墓研究の新たな展開を示す

監修者紹介
坂詰秀一(さかづめ ひでいち)
立正大学特別栄誉教授。
1936年 東京都生まれ。
立正大学大学院文学研究科(国史学専攻)修了。文学博士。
立正大学文学部教授、立正大学名誉教授。
主要編著書に『歴史考古学の視角と実践』(1990、雄山閣出版)、『太平洋戦争と考古学』(1997、吉川弘文館)、『釈迦の故郷を掘る』(編著、2015、北隆館)、『日本歴史考古学を学ぶ』〈3巻〉(共著編、1983~1986、有斐閣)、『論争学説日本の考古学』〈7巻〉(共編著、1986~1988、雄山閣出版)、『仏教考古学事典』(編著、2003、雄山閣、2018新装版)、『新日本考古学辞典』(共編著、2020、ニューサイエンス社)、『転換期の日本考古学―1945~1965 文献解題―』(2021、雄山閣)、『仏教の考古学』上・下巻(2021、雄山閣)、『八十路の考古学』(2024、雄山閣)、『江戸済海寺 久松松平家墓所調査報告書』(監修、2025、雄山閣)など。
編者紹介
松原典明(まつばら のりあき)
石造文化財調査研究所代表。
1960年 京都府生まれ。
立正大学大学院文学研究科博士後期課程中退。
主要編著書に『近世宗教考古学の研究』(2009、雄山閣出版)、『石造文化財への招待』(共著、2011、ニューサイエンス社)、『近世大名葬制の考古学的研究』(2012、雄山閣)、『別冊季刊考古学20 近世大名墓の世界』(共編著、2013、雄山閣)、『近世大名葬制の基礎的研究』(編著、2018、雄山閣)、『近世大名墓の考古学―東アジア文化圏における思想と祭祀―』(編著、2020、勉誠出版)、『江戸済海寺 久松松平家墓所調査報告書』(編著、2025、雄山閣)など。

刊行にあたって(坂詰秀一)
Ⅰ 大名と付家老家の墓所
岩国藩主吉川家墓所とその葬制(清水慎也)
徳川紀州藩家老の墓所の様相について(三好義三)
尾張藩付家老家の墓所―成瀬家と竹腰家について―(松原典明)
Ⅱ 近世社会と宗教から見た墓の実相
幕府儒官・医官人見家の墓制について(後編)(阿南大輔)
藤堂出雲守高清の墓碑について(吉田博嗣)
黄檗宗寿福山梅巌禅寺由緒考(乾 貴子)
高島藩諏訪家墓所と「鉄塔」の表象的解釈(松原典明)
Ⅲ 近世大名と居城
近世大名家墓所と居城の関係―「完成形論」からの脱却―(下高大輔)